taikamieliの日記

北海道在住です。旅行や音楽が好きです。日々の記録を書いていこうと思います。

髪を赤く染めた話

1カ月ほどまえに、人生で初めて、髪を赤く染めました。

 

と言っても、私は臆病なので、目立たないインナーカラーだけ。

しかも、ところどころ、耳にかけたら見えるかな?たぶん??

ってぐらいです。

 

けっこう意を決して「赤のインナーカラーを入れたいんですけど」と言ってみたところ、担当美容師さんの予想以上の「・・・え?」が返ってきて、心が折れました。

 

「職場、大丈夫ですか?」

 

(ええ、大丈夫です。髪型、服装、特に指定ありません。)

 

と、毅然として言いたいのに、

 

「・・・うーん、やっぱり目立つかな?やめた方がいいですかね?」

 

と、逆に聞き返すわたし。あんた何がしたいん?まじで。

こういうところに、誰かの目線が入ってくる。誰かの常識が入ってくる。

 

なじみの美容師さんに「え?」と怪訝な顔をされたこともショックだし、苛立ったけど、一番腹が立って情けなかったのは、自分のしたい髪型なのに、他の人の評価で決めようとして、他の人の反応に合わせようと、もう無条件で返答しちゃう、わたし自身。

 

その「え?」に「職場大丈夫?」以外の、「いや、似合わないでしょ」が込められているような気がして怖かったのかもしれない。

 

「いや、職場大丈夫ならいいと思いますけど、、ちょっと目立たない程度に内側にところどころ入れる感じにしておきますか?」

 

「・・・はい・・・。それでおねがいします。。。(泣)」

 

怖気づきまくった結果の、すべてお任せします状態。

私には自分の髪型、髪色について、なにも言う権利がありません、状態。

それでも、そんな自分に強烈な違和感を感じたことだけが、救いかもしれない。

 

もう早々に心がくじかれて、敗北感(?)でいっぱいになっていたけれど、なじみの美容師さんとの話は楽しかったし、人生初のブリーチにどきどきわくわくしたりした。

 

髪の色が抜けているのを見て「すごい!!!」と興奮したら、

「あ、そっか、taikaさんにとっては新鮮だよね。うち、ブリーチが日常だからスルーしちゃってました、すみません(笑)」

と笑われた。

 

そう、私が通っている美容院はもともとカラーの評判が高いお店で、それこそKPOP好きの10代、20代の若者が「このアイドルと同じ色にしてください!」とやってくるようなところ。

 

なんだか、そんなカラーのプロの美容師さんが、私のちっぽけな勇気だった「赤のインナーカラー」希望に戸惑いを見せたことに、「なんでだよ!他の人の髪はいつも染めてるのになんで私だけ!」という怒りもある一方で「やっぱりプロの美容師さんだなあ、ひとりひとりの社会的属性とかこれまでの好みの傾向とか考えてるんだなあ」と感心する気持ちも沸いてきた。ま、当たり前か(笑)。

 

そんなこんなで、いろんな感情がぐるぐるしながら、初めてのブリーチ&インナー赤髪が完成したわけです。

 

センター分けの黒髪ボブの内側にちらちらとのぞくいくつかの赤いライン。

鏡でまじまじと見たときの私の最初の感想は、

 

「わあ、赤い!私の髪が!!赤くなってるー!!!」

 

っていう無邪気で新鮮な喜びと、一方で

 

「え、、でもこれ目立たないかな?本当に大丈夫かな?なんかロックっぽくなってるけど、私に似合ってるのかな??」

 

っていう、心配するチキンな気持ちがないまぜになった、まあ煮え切らないものでした。

 

(そして、後者の、「目立たないかな?」っていう心配はほんとにただの幻想で、取り越し苦労だったということが、その後数日で分かることになります・・・。

そう、誰も、全く気づかないwww)

 

それでも、気分は不思議な爽快感でいっぱいでした。

あんまり、ここ何十年も感じたことのないものでした。

めちゃめちゃ及び腰ではあったものの、自分の意思で、自分の(ずっとしたいと思っていた)好きな髪色に、できた、ということ。

外からは見えづらくても、確かにここにある、という実感。

そう、赤いインナーカラーは自分の「意思」と「勇気」の証明、みたいに思えたのです。

めちゃくちゃ大げさだけど、でもそれが本当でした。

いつも、流されまくりの日々だけれど、髪の中に「踏みとどまれる自分」「自分ってこうなんだって言える自分」があることへの心強さ。

 

美容院を出た後、少しの不安のドキドキと、大きな解放感を感じながら、友人に会いたくなり、呼び出してしまいました。

すぐに気づいてもらえると思ってドキドキしていたのに、全然気づかれず、結局我慢できなくなって自分から言い出しましたとさ(笑)

自意識過剰すぎて笑えました。

 

他の友人にこの話をしたら、「え、ごめん全然気づかなかった」と言われ、「でも、それって髪の中にバターナイフもってる感じだね。自分を守るための」と言ってくれた。

 

私はこの言葉をたぶん、ずっと大事にしていくだろうと思う。